1. はじめに:薪ストーブが気になっているあなたへ
1-1. 薪ストーブの人気が高まる理由とは?
近年、薪ストーブの人気が再び高まっています。かつては「田舎の家にある昔ながらの暖房器具」というイメージがありましたが、今では都会の住宅でも導入する人が増えています。その理由の一つが、「エネルギー価格の高騰」です。
電気やガスの価格が上昇する中、薪ストーブなら自分で燃料を確保できるため、ランニングコストを抑えることが可能です。また、薪ストーブの炎には独特の温かみがあり、「ただ暖かいだけでなく、くつろぎや癒しをもたらしてくれる」という心理的なメリットも魅力の一つです。
さらに、アウトドア人気の高まりも影響しています。キャンプや焚き火を楽しむ人が増える中で、「薪をくべる楽しさ」や「炎の揺らぎの心地よさ」に魅了され、薪ストーブを導入する人が増えているのです。
1-2. 災害時に役立つ暖房器具としての注目度
薪ストーブの魅力は、普段の暖房として優れているだけではありません。特に注目されているのが、「災害時に強い暖房器具である」という点です。
近年、日本では地震や台風などの自然災害が頻発しており、「もし停電やガスの供給が止まったら?」と不安に思う人が増えています。電気やガスに依存しない薪ストーブは、こうした非常時にも暖をとることができ、さらに調理にも使えるため、ライフラインが途絶えた際の心強い味方になります。
実際、東日本大震災の際には、多くの地域で停電やガスの供給停止が発生しました。その中で、薪ストーブを備えていた家庭は比較的快適に過ごせたと言われています。災害対策として薪ストーブを導入する人が増えているのも納得の理由です。
2. 災害時に薪ストーブが強い理由とは?

災害時に役立つ暖房器具として、薪ストーブが注目される理由は何でしょうか?電気やガスが止まっても使えるという基本的なメリットに加え、調理やお湯を沸かすことができる点も大きな利点です。ここでは、薪ストーブが災害時に強い理由を詳しく解説していきます。
2-1. 停電時でも使える!電気不要の暖房システム
多くの家庭で使われているエアコンやファンヒーターは、電気がなければ動きません。しかし、薪ストーブは電気を必要とせず、薪を燃やすだけで部屋を暖めることができます。そのため、大規模な停電が発生しても暖房を確保できるのが最大の強みです。
例えば、2018年の北海道胆振東部地震では、道内のほぼ全域で停電が発生しました。特に寒冷地では暖房が使えず、厳しい寒さの中での避難生活を強いられた人も多くいました。しかし、薪ストーブを備えていた家庭では、普段とほぼ変わらない暖かい生活を送ることができたと言われています。
また、薪ストーブは家全体をじんわりと暖める「輻射熱(ふくしゃねつ)」を利用しているため、電気のファンを使わなくても広範囲に暖かさが広がります。停電時でも安定した暖房手段を確保できることは、特に冬の寒さが厳しい地域にとって大きな安心材料となるでしょう。

北国住まいの私は、「暖房って電気ないと使えないじゃん😂」ことに気付いたのが、薪ストーブ導入のきっかけでした!
2-2. 調理もできる!非常時の食事対策に便利
薪ストーブのもう一つの大きなメリットは、「調理ができること」です。通常の石油ストーブでも上にやかんを置いてお湯を沸かすことはできますが、本格的な調理となると難しい場合が多いです。しかし、薪ストーブの天板はしっかりとした熱源になるため、鍋やフライパンを使って調理することが可能です。
• お湯を沸かしてカップラーメンやインスタント食品を作る
• 鍋やフライパンで炒め物や煮込み料理を作る
• ダッチオーブンを使ってパンや焼き芋を作る
特に寒い時期の災害では、温かい食事が取れるかどうかが生活の質に大きく関わります。薪ストーブがあれば、暖房を確保しながら調理もできるので、非常時のストレスを軽減することができるでしょう。
2-3. 薪の備蓄=エネルギーの自給が可能
ガスや電気と違い、薪ストーブは燃料を「自分で備蓄できる」という点が大きな特徴です。電気やガスは供給が途絶えるとどうしようもありませんが、薪ストーブならあらかじめ薪をストックしておけば、ライフラインが停止しても暖房と調理を確保できるのです。
都市部では薪の確保が課題になりますが、燃料店やホームセンターで購入することもできます。「いざという時にすぐ使える燃料を確保できる」という安心感は、他の暖房器具にはない薪ストーブならではの強みです。
2-4. 断水時でも使える?お湯を沸かすメリット
災害時には、停電だけでなく断水が発生することもあります。そんなとき、薪ストーブを使えば簡単にお湯を作ることができるため、さまざまな場面で役立ちます。
例えば、以下のような用途に活用できます。
• 飲み水として利用する(湧かして消毒)
• インスタント食品やレトルト食品の調理
• 体を拭くためのお湯を作る(衛生管理)
• 湯たんぽを作り、寒さ対策に利用する
3. 薪ストーブの意外なメリット
薪ストーブが「災害時に強い暖房器具」であることはよく知られていますが、それ以外にも意外なメリットがたくさんあります。ここでは、薪ストーブがもたらす経済的・心理的・環境的な利点について詳しく解説します。
3-1. 冬の光熱費を抑えられる可能性がある
薪ストーブは初期費用こそかかりますが、長期的に見れば光熱費を抑えられる可能性があります。特に、電気やガスの料金が高騰している今、薪ストーブをうまく活用すればランニングコストを削減できるのです。
薪ストーブの燃料コストは?
薪の価格は地域や購入方法によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
薪の入手方法 価格 | (1シーズン分 約2㎥~3㎥想定) |
ホームセンターで購入 | 約6~9万円 |
専門の薪販売業者から購入 | 約4~7万円 |
自分で調達(薪割り・乾燥) ほぼ無料 | (労力は必要) |
例えば、オール電化の住宅で冬の暖房費が月2万円かかるとすると、薪ストーブを導入して薪をうまく確保できれば、年間で数万円以上の節約になるケースもあります。



我が家では1シーズン 約2m3の薪を確保しています。でも、家の断熱性能や寒冷地かどうかによっても左右されますね🤔
3-2. 家全体をじんわり暖める輻射熱の効果
薪ストーブは「輻射熱(ふくしゃねつ)」によって暖を取るのが特徴です。輻射熱とは、ストーブ本体から発せられる遠赤外線のような熱で、空気を暖めるだけでなく、壁や床、家具にまで熱が伝わるため、部屋全体がじんわりと暖まります。
輻射熱のメリット
• 空気が乾燥しにくい → エアコンのように温風を出さないため、乾燥が抑えられる
• 体の芯から温まる → 遠赤外線の効果で、体の表面だけでなく内部まで暖かくなる
• 部屋が冷えにくい → 壁や床に熱が蓄えられるため、火を消しても暖かさが持続する



部屋全体が暖かい感覚って、本当に幸せな気持ちになりますよ☺️
3-3. 心理的な安心感とストレス軽減効果


薪ストーブの炎を見ていると、なぜか落ち着くと感じたことはありませんか?これは、「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」と呼ばれる現象によるものです。
1/fゆらぎとは?
1/fゆらぎとは、規則的な動きと不規則な動きが絶妙に混ざり合った状態のこと。自然界では、波の音、小川のせせらぎ、そよ風の吹く音などにこのリズムが見られます。そして、薪ストーブの炎の揺らぎも、まさに1/fゆらぎの一つなのです。
炎の癒し効果
• 炎の動きを見ているだけでリラックスできる
• ストレスが軽減し、心が落ち着く
• 家族や友人との団らんの時間が増える



その日によって火の燃え広がり方って違うんです。「気付いたらしばらく火を眺めちゃってる」って薪ストーブあるあるです😇
3-4. 環境にもやさしい?再生可能エネルギーとしての薪


薪は「カーボンニュートラル」なエネルギー
薪ストーブで使用する薪は、再生可能エネルギーの一つです。石油や天然ガスのような化石燃料は、燃焼時に大量のCO₂(二酸化炭素)を排出し、地球温暖化の原因となります。一方、薪は「カーボンニュートラル」とされるエネルギー資源です。
森林資源の有効活用で環境保護に貢献
薪ストーブを使用することは、単に「暖をとる手段」ではなく、森林の健全な管理にもつながります。適切に間伐(森林の成長を促すために一部の木を計画的に伐採すること)された木材を薪として利用すれば、環境負荷を最小限に抑えつつ、森林を守る手段としても注目されています。
4. 薪ストーブを導入する前に知っておくべき注意点
薪ストーブには多くのメリットがありますが、導入前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。設置費用、薪の確保、安全対策など、事前に理解しておくことで、後悔のない選択ができるでしょう。ここでは、薪ストーブを導入する前に考えておくべきポイントを詳しく解説します。
4-1. 設置にかかる初期費用とランニングコスト
薪ストーブの導入には、ある程度の初期費用がかかります。一般的な価格の目安は以下の通りです。
🔹 薪ストーブの初期費用(本体+設置工事)
項目 | 費用の目安 |
薪ストーブ本体 | 20万~60万円 |
煙突(屋外設置) | 20万~50万円 |
煙突(屋内設置) | 40万~80万円 |
設置工事費 | 10万~30万円 |
合計 | 50万~150万円 |
薪ストーブ本体の価格はピンキリですが、本体よりも煙突工事の費用が高くなることが多いです。特に2階建て以上の住宅では、煙突の高さや設置方法によって費用が変わります。
🔹 ランニングコスト(薪の価格)
薪の調達方法によって、年間のランニングコストも変わります。
薪の調達方法 | 1シーズンの薪代 | 手間・メリット |
ホームセンターで購入 | 約6~9万円 | 手軽に入手可能だが高価 |
薪専門業者から購入 | 約4~7万円 | 量をまとめ買いすればコストダウン可能 |
自分で調達(薪割り) | ほぼ無料 | 手間はかかるが経済的 |
薪を無料で入手できる環境があるなら、ランニングコストを抑えられます。 ただし、薪割りや乾燥の手間を考慮する必要があります。



我が家は、薪専門業者から購入してます! 自分で調達するのに比べると費用はかかりますが、薪割りしたり乾燥させる手間がないので楽ですよ😄 こればかりは「どこまで自分でやりたいか」次第かもしれませんね😉
4-2. 薪の確保と保管の手間|購入 vs. 自給の違い
薪ストーブの燃料となる薪は、しっかり乾燥したもの(含水率20%以下)を使う必要があります。湿った薪を燃やすと、煙が多く出たり、ストーブの効率が悪くなったりするため、薪の保管方法も重要です。
🔹 薪を確保する方法
• 購入する → 薪専門業者やホームセンターで購入可能(価格は高め)
• 廃材を利用する → 建築廃材や倒木を活用(処理方法に注意)
• 自分で調達する → 伐採した木を薪に加工し、乾燥させる(コスト削減可能)
🔹 薪の保管スペースは必要?
薪は最低でも1シーズン分(約2㎥~3㎥)は確保しておくのが理想です。
• 庭や倉庫がある家 → 屋外に薪棚を作って保管可能
• スペースが限られる場合 → 少量ずつ購入して使う方法もある
4-3. 煙やニオイの問題と近隣トラブルのリスク
薪ストーブを使うと、どうしても煙やニオイが発生します。都市部や住宅密集地では、これが原因で近隣トラブルにつながることもあるので、十分な配慮が必要です。
🔹 煙やニオイを抑えるポイント
1. 乾燥した薪を使う(未乾燥の薪は煙が多く出る)
2. 二次燃焼機能付きの薪ストーブを選ぶ(クリーン燃焼が可能)
3. 煙突の設置位置を工夫する(隣家の窓から離す)
4. 燃焼温度を高める(適切な火力を維持すると煙が少ない)
特に、風向きによっては煙が隣家に流れやすくなるため、事前に設置場所をよく検討することが大切です。



乾燥した薪で、しっかり燃やす! それが本当に大事!
4-4. 安全対策|一酸化炭素中毒・火災リスクを防ぐには?
薪ストーブを安全に使うためには、一酸化炭素(CO)中毒や火災のリスクをしっかり理解し、対策を講じることが重要です。
🔹 一酸化炭素中毒を防ぐために
• 換気を徹底する(特に密閉性の高い住宅では定期的に空気を入れ替える)
• CO警報器を設置する(一酸化炭素は無色・無臭なので、警報器が必須)
• 正しい薪の燃やし方をする(不完全燃焼を防ぐために十分な酸素を確保)
🔹 火災防止のポイント
• ストーブの周りに燃えやすいものを置かない(家具やカーテンから距離を取る)
• 定期的に煙突の掃除をする(煙突内にススが溜まると火災の原因になる)
• 耐火性のある素材を敷く(火の粉が落ちても床が燃えないようにする)


5. 災害対策として薪ストーブを導入するためのポイント


薪ストーブは、停電やガスの供給停止といった非常時に強い暖房器具ですが、実際に災害時に活用するためには、いくつかの準備が必要です。ここでは、災害対策として薪ストーブを導入する際に押さえておきたいポイントを解説します。
5-1. どんな薪ストーブを選べばいい?おすすめの種類
薪ストーブにはさまざまな種類があり、用途に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。特に、災害時の使用を考えるなら、以下のポイントに注目しましょう。
🔹 災害時に適した薪ストーブの特徴
✅ 調理ができるモデル → 天板でお湯を沸かせたり、鍋を使って調理できるものが便利
✅ 二次燃焼機能付き → 燃焼効率が高く、煙の排出が少ない(近隣トラブル防止にもなる)
✅ コンパクトサイズ → 設置スペースが限られている場合、小型タイプを選ぶと扱いやすい
✅ 燃料の入手しやすさ → 廃材や木質ペレットも使えるタイプなら、薪不足の際にも対応可能
🔹 おすすめの薪ストーブのタイプ
タイプ | 特徴 | 災害時のメリット |
---|---|---|
クラシックタイプ | 伝統的な鋳鉄製ストーブ | 輻射熱で部屋全体を暖められる |
クックストーブ | 調理機能付きの薪ストーブ | 輻射熱で部屋全体を暖められる 災害時に調理ができる |
二次燃焼ストーブ | 煙を再燃焼してクリーンな排気 | 輻射熱で部屋全体を暖められる 燃料効率が良く、煙が少ない |
ポータブル薪ストーブ | 小型で持ち運び可能 | キャンプや非常用として使える |
🔥 災害対策には「クックストーブ」や「二次燃焼ストーブ」が特におすすめ!
6. まとめ:薪ストーブは「日常」と「非常時」に強い暖房器具
薪ストーブは、寒い冬を快適に過ごすための暖房器具としてだけでなく、災害時の備えとしても非常に優れた選択肢です。本記事では、薪ストーブのメリットや注意点、災害時の活用方法について詳しく解説しました。
6-1. メリット・デメリットを整理
✅ 薪ストーブの主なメリット
1. 停電・ガス停止時でも使える → 電気不要で暖房と調理が可能
2. 光熱費の節約ができる可能性がある → 薪を自給できればコストを抑えられる
3. じんわり暖まる輻射熱の効果 → 部屋全体を均等に暖め、乾燥しにくい
4. 心理的な癒し効果がある → 炎の「1/fゆらぎ」によるリラックス効果
5. 環境に優しい → カーボンニュートラルな再生可能エネルギーを活用
⚠️ 導入前に知っておくべきデメリット
1. 初期費用が高い → 本体+設置工事で50万~150万円ほどかかる
2. 薪の調達と保管が必要 → 1シーズンで約2~3㎥の薪を確保する必要がある(寒冷地では3㎥以上)
3. 煙やニオイのトラブルの可能性 → 近隣への配慮と適切な燃焼が必須
4. 定期的なメンテナンスが必要 → 煙突掃除やストーブの点検を怠ると火災リスクが高まる



個人的には、煙の問題さえちゃんと気をつければ、あとはメリットだらけでした😄
6-2. 災害時の安心を手に入れるために考えるべきこと
災害時に薪ストーブを有効活用するためには、事前の準備が不可欠です。以下のポイントを意識して、災害に強い薪ストーブライフを実現しましょう。
🔥 薪ストーブを災害時に活用するためのチェックリスト
✅ 調理ができる薪ストーブを選ぶ(天板が広いタイプが便利)
✅ 煙突を適切に設置し、定期的に掃除する(煙の逆流や火災を防ぐ)
✅ 1シーズン分の薪(約2~3㎥)を確保する(非常用として多めにストック)
✅ 一酸化炭素中毒を防ぐためにCO警報器を設置する
✅ 実際に調理やお湯沸かしを試して、使い方に慣れておく
6-3. 💡 まとめ:薪ストーブは「暮らし」と「防災」を両立できる暖房器具!
薪ストーブは、導入やメンテナンスに手間がかかるものの、「災害時でも安心できる備え」として大きな価値を持つ暖房器具です。
• 普段の生活では、快適な暖房&節約に役立つ
• 災害時には、暖房・調理・お湯の確保が可能でライフラインとして機能する
• 薪の確保や煙突の管理など、事前準備が重要!
「もしもの時に頼れる暖房器具が欲しい」「自然の温もりを感じる暮らしがしたい」と考えている方は、薪ストーブの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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